センタープレス（クリース）の役割と、折り目をキープするコツをご紹介！
自分のスーツ姿がなんだか野暮ったい…。
鏡を見てそう感じるとしたら、その理由はスーツのサイズが合っていないせいでも、トレンドから外れているせいでもなく、スラックスのセンタープレスがボケてしまっているせいかもしれません。
そこで今回は、スラックスのセンタープレスの役割や、きれいなセンタープレスをキープするためのポイントをご紹介します。
そもそもセンタープレスとは、スラックスの前身頃と後身頃の中心にプレスして入れるラインのこと。英語では「クリース（crease）」や「センタークリース（center crease）」と呼ばれます。
縦のラインが強調されることで足長効果が期待できるほか、独特の立体的フォルムを作り出してシルエットを美しく見せる働きがあります。
現代のスーツのスラックスにはセンタープレスが入っているのが普通で、とくに仕立て服の世界では、センタープレスによって立体感を出すことを前提に縫製されています。
その意味で、センタープレスはスラックス本来の美しいシルエットを保ち、スーツを端正に着こなすために重要な役割を果たすのです。
スラックスのセンタープレスは、日々着用していることで薄れてしまう場合や、消えてしまうことがあります。
センタープレスが消えてしまう最大の原因として湿気を挙げることができます。
多くのスーツにはウール生地が使われていますが、ウールは吸水性が高く身体から出る汗を吸い取ってしまいます。
水分を吸収した生地は膨張して遷移がほつれやすくなり、その状態が続くとセンタープレスが薄れていきます。とくに日本の夏は高温多湿ですので、センタープレスが薄れやすい環境だと言えます。
また、歩行時や階段の上り下り、椅子に腰掛けたりといった日常動作の中で生地が伸び、センタープレスが薄れ、折り目が戻りにくくなっていきます。
次は、センタープレスをきれいに保つためのポイントを確認していきましょう。
スラックスのセンタープレスをいつまでも綺麗に保つには、どういったポイントを意識すればよいのでしょうか。
一般的に、スーツは着用後3日ほど時間を置かないと水分が抜けきらないと言われており、同じスラックスを連日着用するとセンタープレスの消耗が早まってしまいます。
そのため、スラックスは数本用意して着回す習慣をつけ、着用後のスラックスは風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。この際、スラックスの裾をクリップで留めるタイプのハンガーを使用するのもオススメです。
また、馬毛や豚毛などのブラシを使って生地表面のゴミを落としてから陰干しすることで、生地が傷みづらくなります。
センタープレスを保つには、アイロン掛けも重要です。
センタープレスの折り目に沿って、低温から中温に設定したアイロンをかけていきましょう。この際、ハンカチなどの当て布を忘れないようにしましょう。
また、すでにセンタープレスが消えている場合は、スラックスの両サイドに入っている縫い目を重ね合わせてセンタープレスをつける位置を決めましょう。
気をつけたいのがアイロンがけの頻度。頻繁にアイロンがけを行うと生地が傷み、センタープレスも薄れやすくなってしまいます。月に1回程度を目安にアイロンがけを行うとよいでしょう。
スラックスのセンタープレスは、日常動作にちょっとした配慮をすることで長持ちさせることができます。
たとえば、腰掛ける際に膝上のあたりの生地をつまんで持ち上げてから膝を曲げることで、生地にかかる負担を減らし、センタープレスを長持ちさせることになります。
今回は、スラックスのセンタープレスが薄れてしまう原因と折り目を保つためのポイントをご紹介しました。
センタープレスは、スラックス本来の美しいシルエットを見せるために重要であり、センタープレスが薄れていたり消えていたりすると、どこかだらしない印象を与えてしまうこともあります。
今回ご紹介した情報も参考に、スラックスのセンタープレスをきれいに保ちましょう。
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